2019/07/22
年齢に応じて昇給する年功型賃金や終身雇用といった日本式雇用の枠組みが崩れつつあるなか、中高年のキャリアの再設計を促す専門校が10月、開校する。経営学修士号(MBA)の短期講座の提供や転職先とのマッチングもする。人生100年時代で高齢まで働く人が増えていくなか、中高年の能力開発や特性を生かした転職の必要性が高まっている。
多摩大学大学院研究科長の徳岡晃一郎教授が設けたのは、ライフシフト大学(東京・港)だ。オンラインのビジネススキル講座などのほか多摩大学院でのMBA単科講座や中小・スタートアップ企業でのインターンシップの機会を提供する。希望者には転職先のマッチングもする。半年の講座で学費は70万円ほど。(日本経済新聞 7月14日)
いつのまにか「人生100年時代」が多用されるようになった。健康寿命が100年ならメデタシだが、医学の進歩を踏まえても、そう簡単に多くの国民が100歳まで寿命がもつとは想像できない。この妄想ともいえる官製言葉は見直したほうがよい。
それはともかく、公的年金の支給年齢引き上げや減額が現実味を増してきた以上、老後資金を確保するには、リスクをともなう資産運用も結構だが、理論武装をしていないと金融機関のビジネスに翻弄されかねない。
投資に慣れた人を除けば、現実的な選択肢は就労の継続である。だが、中高年になって経験則の拘禁から脱することは容易でない。経験をベースに新たなスキルを開発できれば、第二のキャリアに展望が開けるが、身体に染み付いた習慣を修正するには、できるだけ早期にキャリアチェンジの準備に入ることだ。
40代に入ったら、取締役をめざす人以外は学びの機会を探すなり、人的ネットワークの拡充などに努めて、転職や起業を視野に入れておきたい。
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