2019/07/12
企業の間で給与や雇用制度の抜本的な見直し機運が高まっている。日本経済新聞社が2日まとめた「社長100人アンケート」で、初任給を直近で引き上げたと回答した企業は約7割に上った。人材獲得競争が激しく総人件費が上昇傾向にある中、年功序列型の賃金体系を見直すとの回答は5割を超えた。企業には入社後も成果に見合った報酬で社員の能力を引き出しつつ、多様な働き方を両立させるための取り組みが一段と求められる。
アンケートは国内主要企業の社長(会長などを含む)を対象に3カ月に1回実施する。今回は6月13~27日に実施し、145社から回答を得た。
2018、19年入社の社員に対する初任給を「引き上げた」と回答した企業は67.3%にのぼった。「20年入社での引き上げを決めた」あるいは「引き上げを検討」は4.9%だった。「引き下げ」はゼロだった。引き上げ率は「1割未満」が9割を決めた。(日本経済新聞 7月3日)
総人件費を維持しながら初任給を引き上げれば、おのずと40歳以上社員の賃金を抑制し、同時に年功賃金を見直さなければならない。この記事によると、1000人以上の企業で働く40~44歳の男性の18年の平均年収は726万円と08年比で約70万円減った。45~49歳も約50万円下がったが、25~29歳は17万円増えている。
40歳以上の社員は既得権益を奪われたような気分になるだろうが、思考を切り替える以外にない。さらに下の世代になると、年功による賃金上昇をアテにして住宅を購入し、子供を私学に入れて、生活コストを重くする生活設計の見直しが必要だ。
今の賃金がこれ以上上がらないという前提で住宅費や教育費を計算しないと、いつパンクしないとも限らない。60歳までに2000~3000万円を蓄えることなど夢想にすぎなくなる。
もっと若い世代は管理職に昇格していないから残業手当が付くが、あくまで残業手当はオマケである。オマケと思っていれば、働き方改革による残業削減から残業手当も減っても、困惑には至らない。残業時間の理想はゼロである。
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