2019/07/08
安倍晋三首相は1日、ベトナムのグエン・スアン・フック首相と首相官邸で会談した。「日本には33万人以上のベトナム人が滞在している。両国の友好協力の拡大に大きな財産だ」と人的交流拡大に期待感を示した。両首脳は外国人の新在留資格「特定技能」制度に関する覚書の署名式に立ち会った。防衛装備品・技術移転協定の締結交渉入りでも一致した。
特定技能に関する覚書は「円滑かつ適正な送り出し・受け入れを確保するため必要、有益な情報を速やかに共有する」と明記した。外国人労働者を保護し、特定技能の制度を適切に運用することを目的とする。
ベトナムは特定技能で受け入れる外国人材の最大の送り出し国になる可能性がある。2018年6月時点で技能実習生約28万6000人のうち47%がベトナム人だった。今回の首脳合意を踏まえ、政府は悪質な仲介業者の排除など日本で生活しやすい環境を整える。(日本経済新聞 7月2日)
技能実習生も留学生もベトナムからの獲得は、国際的な獲得競争を背景に、非常に難しくなったといわれている。監理団体がベトナムに介護技能実習生の募集に訪問しても「応募数が足りなくて、現地で複数の送出し会社にアプローチして、何とか募集枠に達することができるというケースが増えている」という。
特定技能についてもベトナムから期待通りの人数を受け入れられるかどうかは不透明である。日本の監理団体など受け入れ関係業者にはベトナムに見切りをつけて、次の人材供給国としてモンゴルに着目する動きが出てきた。
過日、駐日モンゴル大使の話を聞く機会があったが、大使は特定技能に期待を寄せる一方で「モンゴルも2030年には高齢化時代になるが、すでに看護師が不足している。看護を学んだ多くの若者が、特定技能によって日本の介護施設で働くことは、人手不足のモンゴルにとって困る面もある」と配慮も求めた。
外国人材の確保は日本だけの都合では取り組めない課題である。
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