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損保ジャパン、4000人削減=ITで効率化、介護分野などに配転

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損害保険ジャパン日本興亜が2020年度末までに、従業員数を17年度比で4000人程度減らす方針であることが24日、分かった。全体の約15%に相当する。ITを活用し、業務の効率化を進める。余った従業員は介護などを手掛けるグループ企業に配置転換し、新卒採用も抑える。希望退職者の募集は予定していない。

20年度末の従業員数は2万2000~2万3000人程度に減り、人件費などを年約100億円圧縮できる見通し。

金融業界では、三菱UFJフィナンシャル・グループなど大手行も、ITを活用した人員削減を急いでいる。(時事通信 6月24日)

大企業のホワイトカラーが介護現場で働くことが定着すれば、介護職のイメージが向上して、少しは採用にもプラスになるだろう。だが、損害保険ジャパン日本興亜から余剰人員として介護サービス会社に異動させられた社員は、腐らずに働くだろうか。

キャリアチェンジの機会と受け止めて適応する社員もいるだろうが、かなりの退職者も出るではないのか。まして出向から転籍に移行すれば、人件費の財源が介護報酬であることから、給与の大幅ダウンは避けられまい。

おそらく異動後は本部の管理職として働くのだろうが、くれぐれも現場経験も積む必要があると生真面目に考えないほうがよい。中高年の素人オジサンに現場に入られても、足手まといになるだけだ。しかも迷惑はスタッフだけでなく、利用者にもおよぶ。利用者の家族に及ぶ場合もある。

異動先の介護サービス会社も、現場への配置を考えないほうがよい。管理業務で力を発揮してもらえるように取り計らうことが現実的である。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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