2019/06/27
8.62倍と1.83倍――。2つの数字が新卒採用の断面を示す。いずれも2020年3月卒業予定の大学生・大学院生対象の求人倍率だ。前者が従業員300人未満の企業、後者が全体の数字。大手企業が通年採用に乗り出すと、人材確保に苦しむ中小にしわ寄せが及びかねない。仕事を社外に任せたり、定着しやすい組織をつくったりする動きが広がり始めている。
(中略)
人材コンサルティングの米ギャラップが世界各国の社員の士気を比較した2017年の調査によると、日本は「熱意あふれる社員」の割合がわずか6%。米国の32%を大きく下回り、調査した139カ国のうち132位と最下位レベルだった。
さらに日本は「周囲に不満をまき散らしている無気力な社員」の割合が24%、「やる気のない社員」も70%を超えた。社員が感じる不満の原因を可視化し、改善の道筋を立てることがエンゲージメントの基本となる。
(日本経済新聞 6月19日)
米ギャラップの調査結果はにわかに信じがたい。ここまで日本の会社員は不満分子だらけなのだろうか。このとおりなら経営陣の奮闘だけでは会社はもたず、日本中の過半の会社は破綻する。
不満をこぼしながらも社業に貢献して、定年までコツコツと働きつづけているのが大方の勤め人だ。常時ポジティブ思考では疲れ、やがて燃え尽きる。夢も志も情熱も大切だが、
愚痴をこぼしてガス抜きをするから、定年までもつのである。
かりにビジョンが明確で、人事が公正で、成長を実感でき、給与水準が平均以上で、ワークライフバランスが配慮され、ハラスメントがない職場に勤務しても、不満は発生する。要は程度の問題である。
楽しみを与えればバランスが取れるから、離職率が社業に支障をきたさない範囲に収まっているのなら、過度に不満を問題視する必要はない。
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