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外国人受け入れ支援 都市部集中の回避が柱

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政府は10日、外国人労働者の受け入れに関する関係省庁会議を開き、労働環境の整備に向けた追加対策を示した。4月に始まった新在留資格「特定技能」の取得者が都市部に集中するのを避ける支援策が柱だ。地方自治体とハローワークが連携して地方の求人情報を提供する。技能実習生の処遇改善へ給与の口座振込も義務化する。

昨年12月にまとめた「外国人材の受け入れ・共生のための総合的対応策」を拡充する。近く関係閣僚会議で決定し、6月下旬に決める経済財政運営の基本方針(骨太の方針)に盛り込む。2020年度予算案に反映し、年内に対策の改定版を取りまとめる。

特定技能の14業種のうち建設分野では、特定技能の試験実施団体が地方の求人情報を外国人に伝える。介護分野は人材を施設などに紹介する自治体に財政支援する。

日本の運転免許への切り替え手続きも多言語化する。地方では車が運転できないと移動が不便な場合が多い。免許を切り替えやすくして地方での就労を促す。

生活環境の整備に向けた支援を手厚くする。20年度に全国の自治体や企業、外国人からの相談に応じる「外国人共生センター」を都内に1カ所新設する。法律やビザ、就労についての相談窓口を集約する。(日本経済新聞 6月11日)

日本人労働者が都市部に集中し、地方から人材が流出する流れは止めようがない。地方には就職先があっても選択肢に限界がある。この実態は外国労働者にとっても同じで、たとえばTPP(経済連携協定)で来日した看護師候補生と介護福祉士候補生の就労先は、都市部に集中している。

特定技能で来日する労働者は技能実習生と同様に、来日動機の多くは“出稼ぎ”である。おのずと時給の高い地域に就労先を求めるので、都市部への集中は避けられない。かりに地方に就職しても、やがて時給の高い首都圏や関西圏の企業に転職してゆくことは、容易に想像がつく。

政策的に就労先地域をコントロールするには、サポート体制の整備もさることながら、やはり地方の時給アップを導く以外にない。地方の企業も時給を地元の相場ではなく首都圏や関西圏に合わせないと、外国人材の確保に難儀するだろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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