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ドコモ「処遇改革」の本気、AI人材の年俸3000万円超えも

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NTTドコモは人工知能(AI)などで高い専門性を持つ技術者や、金融・決済などの成長領域を先導する人材を市場価値に応じた報酬で採用する人事制度を新設した。完全年俸制で成果に応じて賞与が大きく変動する仕組み。年俸3000万円超での処遇もあり得る。国際規模でAI技術者の獲得競争が激化する中、社外だけでなく社内人材も対象とし、優秀な人材の引き抜きを防ぐ。
4月に導入した「シニア・プロフェッショナル制度」は、ドコモが新たな成長領域に定めたAI・ビッグデータ(大量データ)に特化した技術者として高い専門性を発揮する研究開発分野の3職種が対象。映像コンテンツなどのエンターテインメントや、医療・健康、金融・決済、ライフスタイルのスマートライフ領域4分野に精通した人材、同領域のデジタルマーケティングや戦略的連携担当者など4職種の人材も募る。
すでに社内4人、社外1人を新制度で採用した。過去の実績や入社後の成果にもよるが年俸3000万円となれば、ドコモの17年の平均年収約874万円の3倍超となる。
(ニュースイッチ 5月25日)

日本企業の給与水準ではAI技術者を外資系IT企業に高額な報酬で引き抜かれてしまう現状を考えれば、特別待遇を実施せざるをないのだろう。ドコモの平均年収874万円は上場企業平均の606万円を大きく上回るが、それでも年収2000~3000万円を支払う外資系IT企業に比べれば遠くおよばない。

日本企業の間に外資系並みの給与設定が普及すれば、AI技術者バブルが沸き起こるだろうが、恩恵にあずかれるのはあくまで一部の技術者だ。出色の成果を出しつづけられなければ即座に解雇されるだろうから、燃え尽きる人も増えるに違いない。

その浮き沈みを見て、人並みのAI技術者でよいと平穏を志向するのもよいが、せっかくAI技術者の職を得たのなら、一度はトップレベルの職場を経験したほうがよい。収入よりも一流の技術者に囲まれて、高度な業務に従事するという経験が、その後のキャリアにおおいに生きるのである。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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