2019/05/29
政府が4月に導入した新在留資格「特定技能1号」の技能試験結果が21日、初めて発表された。
外食業に関し、業界団体が実施した試験に347人が合格した。合格者は日本語能力の要件を満たしていれば、在留資格を得ることができる。
外食の試験は4月25、26両日に東京と大阪で実施され、460人が受験。合格率は75.4%だった。
合格者を国・地域別に見ると、ベトナムが最も多く203人で、中国37人、ネパール30人と続いた。男女別では男性が231人、女性が116人だった。
特定技能1号は人手不足が深刻な14業種が対象。政府は5年間で最大34万人余りの受け入れを見込み、うち外食では5万3000人と想定している。
次回の外食の試験は、6月24~28日に札幌、名古屋、福岡など計7都市で実施予定。このほか、介護、宿泊の2業種でも4月に試験を実施しており、5月中に結果が明らかになる見通しだ。(時事通信 5月21日)
外国人労働者の受け入れ動機は、低賃金で雇える非熟練労働者の確保である。だが社会課題として考察すると、人手確保だけでなく、いくつかの課題が潜んでいる。
フランスの歴史人口学者エマニュエル・トッド氏は『文藝春秋』6月号で、外国人労働者受け入れの盲点について次の指摘を述べている。
第1の過ち (移民受け入れ拡大によって)少子化対策の方をおろそかにすること
第2の過ち 外国人労働者はいずれ国に帰ると思い込むこと
第3の過ち 移民を単なる経済的現象と考えること
第4の過ち 移民受け入れにあたって多文化主義を採用すること
第5の過ち 非熟練労働者の移民のみを増やすこと
第6の過ち 移民の出身国をある特定の国に集中させてしまうこと
この6つの過ちに日本の現状を当てはめると「いずれ国に帰る非熟練労働者のみの受け入れが、労働力確保という単なる経済的現象として取り組まれている」といえるだろう。
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