2019/04/18
安倍晋三首相は10日の経済財政諮問会議で、バブル崩壊後の「就職氷河期」に社会人となって非正規社員として働く30代半ば~40代半ばの人を対象に、就職支援を強化するよう関係閣僚に指示した。今後3年間の「集中プログラム」を夏までにまとめ、数値目標も掲げる。中途採用を増やす企業への助成拡充などを民間議員が提言したのを受け「氷河期世代への対応は国の将来に関わる重要な課題だ」と応じた。
景気回復などで主婦や高齢者の就労が進む一方、氷河期世代の所得が思うように向上せず、正社員化や必要な能力開発が課題となっている。(共同通信 4月10日)
就職氷河期世代の非正規雇用者には独身が多いそうだが、いま結婚しても出産・育児に入るには難しい年齢だ。すでに少子化対策の対象世代ではなくなった。
それでも、いまのうちに正社員化を進めないと機会を逃してしまう。40代後半でセカンドキャリアを検討する年代で、この年代まで非正規雇用を続けていたら、正社員への転換は厳しくなる。
この4月に施行された在留資格「特定技能」の対象になった14業種なら正社員への道が開けると思われがちだが、年齢が大きな壁になる。この14業種で働くには体力が必要で、雇用主が求めているのは20代である。就職氷河期世代は求められていない。
非正規雇用から社会人生活をスタートせざるをえず、年齢相応のキャリアを積む機会に恵まれないまま40代に入れば、その後の安定は期待薄である。気の毒な世代だが、生活設計の安定に向けて、政策にどこまで期待できるだろうか。
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