2019/04/17
厚生労働省は10日、介護施設で働く常勤介護職員の平均月給が2018年9月時点で30万970円と前の年と比べて1万850円増えたと発表した。30万円を超えたのは09年の調査開始以来初めて。介護現場での人手不足感が強まるなか、待遇の改善で職員の引き留めを図る施設が増えている。厚労省が職員の処遇改善に向けて介護報酬を上乗せしていることも押し上げた。
特別養護老人ホームなど全国の1万670施設、事業所を調べ、有効回答率は74.1%だった。平均月収には基本給のほか、諸手当や賞与も含まれる。月給のうち基本給は18万1220円で、前の年と比べて3230円増えた。諸手当は7万1330円で3610円増、賞与も48420円と4010円増えた。(日本経済新聞 4月10日)
介護職員の平均給与が月額30万円を超えたとはいえ、基本給は18万1220円。手当で上積みされているにすぎず、低賃金の域にとどまっている現状に変化はない。過酷な仕事に見合う金額とは程遠く、若い人材を惹きつけるのは相変わらず難しいだろう。
しかも介護職員の給与は施設類型によって差があるので、平均値では実態が見えてこない。
平成29年のデータだが、厚生労働省の調査によると、施設類型別の常勤職員の平均月収は以下である。
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)32万2310円、介護老人保健施設31万4560円、介護療養型医療施設27万8010円、訪問介護事業所29万3590円、通所介護事業所26万4790円、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)26万9920円。介護老人福祉施設と認知症対応型共同生活介護の間には約5万円の差が開いている。
介護職員の給与財源は社会保障費だから、財政再建が果たされない限り、抜本的な改善は期待できないのではないか。
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