2019/04/11
セブン&アイ・ホールディングス(HD)は4日の取締役会で、傘下のコンビニエンスストア最大手セブン―イレブン・ジャパンの古屋一樹社長(69)が代表権のない会長に退き、後任に永松文彦副社長(62)が昇格する人事を決めた。24時間営業の見直しを求める動きが広がる中、経営刷新で事態の収拾を図る。
古屋氏は2016年5月から社長を務め、セブン&アイHDの井阪隆一社長とともに、セブン―イレブンの経営を担ってきた。今年2月に東大阪市のフランチャイズ店が24時間の営業時間を短縮して本部と対立。他の店舗からも営業時間の柔軟化を求める声が上がり、セブン本部内で、24時間営業にこだわる古屋氏の経営姿勢を疑問視する声も出ていた。
永松氏をトップとする新体制で、24時間営業のあり方や店舗の省力化などの課題に取り組む見通しだ。(毎日新聞 4月4日)セブン&アイ・ホールディングス(HD)は4月4日、セブン―イレブン・ジャパンの社長交代を発表する記者会見を開いた。
目下の焦点である24時間営業について、セブン&アイHDの井坂隆一社長「加盟店に対して柔軟に対応するが、24時間営業を選択制にすることは考えていない」と述べた。その理由は「店舗の収益が低下するリスク、セブンイレブンのブランドを毀損するリスク、24時間営業で成り立っているサプライチェーン全体へのリスクがあるからだ」という。
新社長の永松文彦氏によると、営業時間短縮を要望している加盟店オーナーは全体の0.5%に当たる96人。永松氏は全員と話し合う意向を述べた。
「かつて16時間営業店を24時間営業に切り替えたところ、売り上げが平均2割増えた。営業時間を短縮すれば収益が低下するリスクがある。このリスクを説明したうえで、各オーナーと話し合いたい。24時間営業を継続できるように省力化や人材サポートなどを進めるが、それは本部の利益のためでなく、オーナーのためである」
オーナーは経営者である。本部に指摘されるまでもなく、営業時間の短縮による収益減少を承知のうえで、営業時間の短縮を希望しているのだろう。風向きが変わりつつあるなかで、本部の論理で押し切れまい。
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