2019/04/10
カジュアル衣料品店「ユニクロ」などを運営するファーストリテイリングは3日、2020年春に入社する新入社員の初任給を2割引き上げ、25万5千円とする方針を明らかにした。人材の獲得競争が激化する中、国際的な展開を見据え、優秀な若手を確保する狙い。
対象となるのは、20年春に入社する大卒や院卒の新入社員のうち、国内外の転勤がある職種で、現在の21万円から4万5千円引き上げる。初任給は総合商社や資系企業と同水準となるという。
20年春には約650人を採用する予定で、そのうち国内外の転勤がある職種は数百人を見込んでいる。
(共同通信 4月3日)
ファーストリテイリングの初任給が25万5000円に跳ね上がったといっても、特筆すべき金額ではない。給与水準で着目すべきなのは40歳時点での年収である。
通常、勤め人が住宅費と子供の教育費が重なって最も経済的な負荷を強いられるのは、30代後半からの10年間である。大企業の場合、年収は40代後半がピークで、以降は役員に昇進しない限り、なだらかに下がり続けて55歳で一段と下がる。
勤め人の収入の多寡が問われるのは、勤め人人生の後半生である。
だが、20代のときに40代の生活設計はイメージしにくいうえに、いまの20代は終身雇用を指向しない傾向に流れている。まして企業の浮沈は有為転変で、長期のライフプランを描きにくい。
やはり前半生の給与をアピールしないと、優秀な人材を確保できないのだろう。
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