2019/03/26
政府は15日、外国人労働者の受け入れ拡大へ4月に導入する新たな在留資格「特定技能」の詳細な運用ルールを定める政省令を公布した。日本人と同等以上の報酬を確保し、外国人労働者の健康状態を把握するよう企業に義務付ける。適正な雇用環境を整え、人手不足に悩む業種で技能を持つ外国人材を呼び込む。4月1日に改正出入国管理法とあわせて施行する。
新資格で在留する外国人を雇う企業には、外国人に支払う報酬額を日本人と同等以上にするよう求めた。報酬は原則として預貯金口座に振り込む。労働関係法令を順守し、企業の責任で1年以内に行方不明者が出ていないことも受け入れを認める条件だ。
政府は新資格での受け入れで、技能実習制度の修了者からの移行を多く見込む。2018年の臨時国会では技能実習生をめぐり、低賃金や長時間労働などの問題が明らかになった。企業が守るべきルールを明確に示し、外国人が不当に安い労働力として扱われないよう徹底する。
(日本経済新聞 3月15日)
特定技能の施行に伴い、政府は外国人材が安価な労働力として扱われないように「多文化共生」というコンセプトを掲げ、生活者として受け入れる体制整備を始めている。人権問題を頻発させた外個人技能実習制度への反省に基づいているのだが、この取り組み姿勢を外国人材はどう受け止めているのか。
海外で特定技能の制度設計を説明した大学教員は次のように振り返った。
「日本で働くことを希望している外国人の大半は出稼ぎが目的です。彼らに多文化共生社会の取り組みを説明してもピンと来ません。共生という意味を説明しても、なかなか理解されません」
外国人労働者の関心は、限られた在留期間に、いかにして最大限に稼ぐかである。多文化共生社会のメンバーになることではないが、それでも稼ぎやすい環境を用意したほうが勤労意欲を喚起できて、日本側にもメリットが大きいだろう。
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