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20年卒学生の人気企業、2位は味の素 6年ぶりに首位になったのは……

20180325

就職情報サイトの運営などを手掛ける学情は3月18日、2020年3月に卒業予定の大学生・大学院生の志望企業をまとめた「就職人気企業ランキング」を発表した。トップは総合商社の伊藤忠商事で、6年ぶりの返り咲きとなった。
同社は残業削減などを目的に、早朝に稼働した社員にインセンティブを支給したり、午前8時よりも前に始業した社員に朝食を提供したりといった「朝型勤務」制度を取り入れている。
学情はこうした取り組みが学生の支持につながったとみており、「(伊藤忠商事は)働き方改革を積極的に取り組んでいるという印象が強く、テレビCMや新聞広告などの広報戦略が功を奏した」と分析する。
2~10位は味の素、JTBグループ、オリエンタルランド、ANA(全日本空輸)、エイチ・アイ・エス、丸紅、アサヒ飲料、大日本印刷、ソニーミュージックグループ――と続いた。
(ITmediaビジネスONLINE 3月11日)

大学生の就職人気企業は、昔から時代の先端企業がランキングされ、しかも「寄らば大樹の陰」で選ばれている傾向に変わりはない。決め手は知名度である。社会経験のない学生を対象にした調査なので、当然の結果だろう。

トップに返り咲いた伊藤忠のテレビCMは、社員の日常を撮影して「ひとりの商人、無数の使命」というメッセージを表示している。商社の社員は「商人」であり、それぞれが「使命」を課せられて働いているというシンプルで正直なメッセージは、訴求力が強い。
同社はホームページで次のように述べている。

「ひとりの商人がいる。そしてそこには、数限りない使命がある。伊藤忠商事の仕事場は、この地球の上すべてです。国を超えて暮らしと関わり、新たな生活文化を創り、ありとあらゆるものを力強く商っています。そのとき忘れてはならないことは『その商いは、未来を祝福しているのか?』ということです。私たちは、この世界に生きるすべての人の明日に貢献する企業として『豊かさを担う責任』を果たしていきたい」
テレビCMには、このメッセージが絵空事ではないというイメージが漂っている。学生は魅せられるだろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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