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フリーITエンジニア 正社員より高報酬 月額相場65~67万円に

ono20190319

プログラマーなどIT(情報技術)エンジニアが不足する中、フリーランスのITエンジニアのニーズが高まっている。正社員の採用が難しい中ですばやく人手を補充しようと、正社員よりも高額な報酬を支払って登用する企業が増加。報酬は上昇しており、エンジニアに求人を紹介するエージェント大手各社によれば、月額相場は全国平均で65万~67万円に上る。
不動産業界向けシステム運営のセイルボート(広島市)では、社員と同数の10人のフリーエンジニアが働いている。正社員は10人面接して1人採用できるかどうかだが、「フリーなら高い報酬を出せば数週間で就業してくれる。事業のスピードを落とさないための投資だ」(西野量代表)。仕事内容は正社員と変わらないという。
フリーエンジニアは、企業と直接契約するのではなく、エージェントを介して業務委託契約を結ぶのが一般的だ。契約後には相手企業に常駐してフルタイムで働くケースが多い。
(日本経済新聞 3月9日)

月額65~67万円なら年間で780~804万円だが、フリーランスは、社会保険料が自己負担であるうえに日常の諸経費も自己負担である。これだけを差し引いただけでも、この報酬額ではけっして高報酬とはいえないだろう。
しかもフリーランスには昇給がない。継続的に仕事を受注できる保障もない。産休も育休も慶弔休暇もない。かつて「フリーは不利」という言葉が流行ったことがあったが、現実はそのとおりである。

フリーランスITエンジニアも、この記事で「正社員より高報酬」と書かれたことに違和感を抱いているのではないか。それでも、フリーランスで働くのは、組織のしがらみから解放され、自分の専門領域に専念できるからだろう。たとえ経済的には恵まれなくとも、しがらみに拘禁されるよりもベターなのだ。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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