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産地偽装の鹿北製油 従業員14人が全員退職 街が再就職支援へ

湧水町の鹿北製油が、外国産のゴマを混ぜた商品を「国産」と偽っていた問題で、会社の従業員が先月末に全員退職していたことが分かりました。
この問題は、鹿北製油が、国産のゴマに外国産を混ぜた商品を「国産」と偽るなどして出荷していたものです。県は、去年12月、会社に食品表示法に基づく業務改善指示を出し、  県警も不正競争防止法違反などの疑いで捜査しています。関係者によりますと、「偽装を主導した和田久輝社長の経営方針が改善されなかった」ことなどを理由に、先月末、会社の従業員14人全員が退職したということです。湧水町は2008年、設備投資に対する補助金として、鹿北製油に対し760万円を支出していますが、警察の捜査の結果によっては返還を求める考えです。一方、鹿北製油の代理人弁護士は「問題発覚後、会社の運営体制や商品のチェック体制などは改善しており、元従業員の主張は事実と異なっている」と話しています。
(MBC南日本放送 3月8日)

この記事から、鹿北製油を退職した14人は抗議の意味も込めて退職したのだろう。ただ、退職金は支払われたのだろうか。かりに退職金規定があっても、中小企業の場合、規定どおりに支払われるかはオーナー経営者の判断ひとつで、退職者への感情で判断されるケースもけっして少なくない。

この会社が中小企業退職金共済に加入していれば、わずかな額だが、積立金から支払われるが、スムーズに処理されるとは限らない。
数年前の出来事である。都内のアパレル関連企業の中堅社員が経営者のパワハラに嫌気がさして退職する時に、中小企業退職金共済に連絡を入れて、積立金250万円前後を自分の口座に入金してもらった。社長は辞意を受け入れたが、まだ辞表が提出されていなかったという。

振り込みの事実を知った社長は激怒し、本人が荷物を整理に出社した途端、社長室に呼びつけて怒鳴りまくり、訴訟をちらつかせたという。社長は会社経由で本人に支給されるものだと思っていたらしい。結局、事なきを得たが、口汚く罵声を浴びせられたことは災難で、本人は「簡単に消し去ることなどできません。ときどき思い出して憂鬱になります」と引きずっている。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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