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日本語教師に判定試験 外国人増加に対応

ono20190315

国の文化審議会の小委員会は4日、外国人らに日本語を教える「日本語教師」の公的資格を創設する方針をまとめた。判定試験や教育実習を課すのが柱。労働力としての外国人の受け入れを拡大する改正出入国管理法が2019年4月に施行される中、教師の質を高めて日本語教育を充実させ、日本での仕事や生活を支援する態勢を整える。
政府は外国人材の活躍推進をうたった「未来投資戦略」で日本語教師の新資格を検討項目としており、文化審は19年度に具体的な制度設計に着手。文化庁は20年度以降の創設を目指す。
改正法で新設される在留資格「特定技能」のうち、「1号」は単身が条件だが、熟練者が取得できる「2号」は家族の帯同が認められる。長期の就労や永住にも道が開かれ、仕事や生活のための日本語習得がより重要になる。人手不足で企業などの外国人材への期待は大きい。新資格で日本語の習得がスムーズに進めば、就労を後押しするメリットがある。
試験は公益財団法人が運営する「日本語教育能力検定試験」の活用も検討。教育実習は日本語を教える各機関で実際に教壇に立つなどし、実践的な能力を身に付けてもらう。広く日本語教師を目指す人を対象にする方針。大学や民間機関の養成課程の修了者には、試験の一部を免除することも検討する。
(日本経済新聞 3月5日)

人手不足対策要員で来日する外国人を教える日本語教員も人材不足に瀕している。新規開設の日本語学校は教員確保に四苦八苦しているのが、その背景には、この業界固有の事情が潜んでいる。
日本語教員には資格要件がある。

①日本語教育能力検定試験合格者
②4年制大学卒業で420時間の日本語教師養成講座受講修了者
③4年制大学の日本語教育専攻卒業者。

この3つのどれかに該当すれば資格を取得でき、教員としてのキャリアは非常勤講師からスタートして、法務省の認定を受けた「告示校」で3~4年のキャリアを積んでから常勤講師に昇格するのが通常のステップだ。

つまり非正規労働者からスタートするのだが、新卒であれ、他業界からの転身であれ、この売り手市場の時代に、当初から非正規雇用を選ぶ人がどれだけいるのか。給与水準の高い職業なら非正規のリスクも覚悟できるだろうが、日本語教員は薄給である。

年収ポータルサイト「平均年収.JP」によると、非常勤日本語教員の年収は180~200万円前後で、常勤教員は300~350万円に過ぎない。この水準では教員の確保が進まないだろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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