2019/02/25
富士通は19日、総務や経理など国内の事務部門をスリム化する一環で、2850人が3月末で早期退職すると発表した。国内従業員の3%にあたる。昨秋に事務部門の約3割の5千人を営業などに配置転換する計画を打ち出していたが、異動が難しい人には退職金を割り増すなどの制度を活用するとしていた。
計画の6割近くの人が会社を去る選択をしたことになり、2013年に半導体事業の再編などで約2400人が早期退職して以来の大規模な人員削減となる。
(朝日新聞デジタル 2月19日)
経営合理化策の最後の手段であったはずの人員削減が平然と実施される時代になった。非正規雇用労働者や外国人労働者が雇用の調整弁として遇されているが、正社員もまた雇用の調整弁になったようだ。
雇用がすべからく調整弁であれば、人件費は固定費から変動費へと性格を変えていく。すでに企業のホンネは変動費だろう。
こうも雇用姿勢が変われば、社員の就労姿勢も変わらざるをえない。若い社員にとって勤務先はキャリアアップの踏み台にすぎなくなり、中堅社員もリストラで去っていく社員を見て「明日は我が身」と雇用リスク対策を考え、人材紹介会社への登録や副業に着手せざるを得なくなる。
組織の求心力が低下すると、業績悪化時の耐性が弱体化する。消費税率10%増税や東京オリンピックを経て大不況が襲来すれば、大型倒産の頻発も想定できる。グローバルスタンダードに盲従したツケが廻ってくる。
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