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入社の決め手は「自分の成長」 今春卒大学生への調査

就職情報会社「リクルートキャリア」(東京)が今春就職予定の大学生に入社先を確定する決め手を複数回答で尋ねたところ「自分の成長が期待できる」との答えが47.1%で最多だったことが10日、分かった。「年収が高い」「知名度がある」は2割に満たなかった。 同社の就職みらい研究所の増本全所長は「今は定年まで勤め上げるという意識が希薄だ。企業の浮き沈みは激しく、自分の成長こそが将来の安定につながるという考えが働いた」と分析した。
「自分の成長が期待できる」の次に多いのは「福利厚生や手当が充実している」の37.8%。「希望の地域で働ける」(37.0%)が続いた。
(共同通信 2月10日)

就職先を決める理由の一番が「自分の成長が期待できる」という結果は、何が起きても食べていける実力をつけたいという意識の現われだ。勤め人の浮き沈みを学習したのだろう。
この志向性は「組織の歯車ではなく、若いときから権限を与えられるため実力がつく」という中小ベンチャー企業の採用トークにマッチしそうにも見える。だが、組織規模とスキルアップにはなんの関係もない。
たしかに中小ベンチャー企業の若手社員には、起業家さながらの行動力を発揮する社員がいるが、大手企業のように強固な事業インフラを利用したスケールの大きな仕事は経験しにくい。当然、人材の多様性も大手企業のほうがはるかに上回っている。
実力をつけやすい会社かどうかは、その会社の出身者がどんな活躍をしているかを見れば、ある程度は判別できる。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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