2019/02/06
信越化学工業が4月から定年年齢を現在の60歳から65歳に引き上げる方針であることが29日、分かった。社員が継続して働きやすい環境を整え、製造現場の熟練者などを確保するのが狙い。信越化学と一部のグループ企業の社員が対象。信越化学によると、65歳への定年の引き上げは化学大手では初めてという。
労働組合へ既に提案をしており、労使交渉を経て正式に決定する。60歳以降の給与は、59歳時点の80%程度を支給する。現行の再雇用制度では55%程度にとどまっていた。新たな制度で働く社員を「特任社員」と呼び、60歳以降も人事評価で昇級や昇格を実施する。
(共同通信 1月29日)
再雇用よりも定年引き上げのほうが、社員にとっては給与へのダメージが少ない。だが、総人件費の膨張は内部留保の弱体化を引き起こしかねず、多くの企業は再雇用を選択する。
一方、給与が下がるのなら、下がった分に相当するだけ業務負荷も軽減されなければ、社員の納得を得られないだろうが、そうはいかないようだ。多くの職場で、いきなり軽減されることはないという。人手不足対策として再雇用や定年延長が実施されるのだから、やむをえない。
従来通りの業務負荷を求めるのなら、定年延長を実施して、給与水準も踏襲するのが還暦社員の能力を活用する鉄則だろう。やがて続々と“生涯現役企業”が現われるかもしれないが、社員の就労観がついていけるかどうか。
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