2018/12/20
厚生労働省は12日、2019年10月の消費税率引き上げ時に実施する介護職の処遇改善策を社会保障審議会(厚労相の諮問機関)に示した。
最低1人以上のベテラン介護福祉士の年収を全産業平均の440万円以上にするか、月8万円賃上げする事業者に対し、介護報酬を新たに加算する。経験や技能のある職員の待遇を手厚くし、人材の定着を図る。
政府は、人手不足が深刻な介護職の離職ゼロに向け、事業者への報酬加算を通じ段階的に待遇改善を実施してきた。17年末に閣議決定した「経済政策パッケージ」では、勤続10年以上の介護福祉士に月8万円相当の処遇改善を行うため1000億円を投じると明記。審議会では、新設する報酬加算の配分方法など具体策を検討していた。
(時事通信 12月12日)
介護職の年収を改善するには、現状では介護報酬を大幅に引き上げるが、介護事業者が保険外事業で稼ぐ以外にない。
前者は社会保障費抑制策がつづく状況では望めないし、後者は一定水準以上の資産を有していない層でないと契約が難しい。保険サービスが当たり前になると、全額自己負担の保険外サービスには、過剰に高額という印象が噴き出してしまう。富裕層以外にはなかなか利用が進まないのが現状だ。
そこで社会保障財源確保に向けて消費税増税論が喧伝されるのだが、景気の腰折れ懸念から、政府は、10%に引き上げて以降はしばらく増税論議を控えるだろう。だが、それも時間の問題で、「経済成長なくして財政再建なし」から「財政再建なくして経済成長なし」へのスローガンを切り替えるのではないか。
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