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70歳就業、義務化検討=法制化へ来夏実行計画―政府

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政府は26日の未来投資会議(議長・安倍晋三首相)で、成長戦略の方向性を取りまとめた。
70歳までの就業機会確保では、企業に「多様な選択肢のいずれかを求める方向」と明記し、将来の義務化を検討する方針を示した。来夏に実行計画をまとめ、早期の法制化を図る。
65歳までの雇用確保では、企業に対し、定年の廃止や引き上げ、継続雇用制度のいずれかを義務付けている。70歳までの延長については、当面は努力義務にとどめ、企業の対応を促す考えだ。
高齢者の就業拡大を目指すのは、少子高齢化で「社会保障の費用が持たない」(与党幹部)ことが背景にある。ただ、70歳となれば健康状態の差も大きく、地域での人材活用など、同一企業での雇用延長にこだわらない柔軟な対応が求められそうだ。
(時事通信 11月26日) 

 70歳までの就業が義務化されたら公的年金の支給開始年齢も70歳まで引き上げられるに違いない。いずれ70歳が現役と引退の制度上の区切りになることは想定されたが、それにしても議論が急ピッチで進んでいる。よほど社会保障財源がピンチなのだろう。
 70歳までの就労が義務化されたら、再雇用年齢を75歳に引き上げる企業がつづき、健康寿命が尽きるまで働くことがライフスタイルの標準形になるのだろうか。
70歳以降は何のため働くのか。年金だけでは生活設計が厳しいから働く人も少なくないだろうが、間がもたないから働く人も増えるはずだ。70歳まで働きつづけたら、ライフスタイルの切り替えは容易でないだろう。
有識者の提言に踊らされ、70歳を過ぎてから地域デビューを試みて失態を晒すよりは、働き詰めのほうがよいかもしれない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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