2018/11/30
東京23区の区長からなる特別区長会は22日、23区の職員給与を据え置くことで労働組合と妥結した。特別区人事委員会が月給を平均9671円下げるなどの勧告をしていたが、過去最大の下げ幅となるため労組が反発し交渉が続いていた。人事委勧告どおりに給与改定を実施しないのは異例となる。
人事委は2018年勧告で、月給を平均2.46%引き下げ、ボーナスに当たる期末・勤勉手当を0.1か月分引き上げ4.6カ月分とするよう各区に求めていた。勧告どおりに改定されると、職員の平均年間給与は約12万円減少することになる。
勧告の内容について、区長会の西川太一郎会長(荒川区長)は「有為な人材の確保がより厳しくなる」と強調。その上で「勧告は尊重することが基本だが、熟慮に熟慮を重ねた上で決定した」と、労組と妥結した経緯をコメントした。
(日本経済新聞 11月23日)
年収情報サイト「平均年収.jp」によると、東京23区職員の平均年収は720万円。役職別では、部長職1000万円~1200万円以上、課長職960万円~1000万円、主任主事450万円~600万円、一般行政職370万円~450万円である。
高くもなく、低くもない。大まかにみれば、中堅クラスの企業の水準である。
ただ、経団連が発表した大企業(集計対象・東証1部上場の従業員500人以上の75社)が支給する今冬の平均賞与額は、前年比3.49%増で過去最高の95万6744円である。このニュースを目にして賃下げを実施されたら、官民の違いがあるとはいえ、勤労意欲の低下は避けられまい。
特別区人事委員会の引き下げ勧告に従わず、据え置きに決定したことは適切な判断といえるだろう。
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