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70再雇用 努力目標に

政府は高齢者が希望すれば原則70歳まで働けるよう環境整備を始める。現在は原則65歳まで働けるよう企業に義務付けており、年齢引き上げの検討に入る。2019年度から高齢者の採用に積極的な企業を支援する。その上で来年以降に高年齢者雇用安定法(総合2面きょうのことば)の改正も視野に70歳まで働けるようにする。少子高齢化や人口減少社会を見据え、多様な働き方を後押しするのが狙い。
今秋からせいふの未来投資会議と経済財政諮問会議で経済界も交えて本悪的な検討に入る。
安倍晋三首相は3日の日本経済新聞のインタビューで「65歳以上への継続雇用年齢の引き上げを検討する」と述べた。現在の高年齢者雇用安定法は、希望者に対して原則65歳までを「継続雇用年齢」として働ける用意することを義務付けている。
(日本経済新聞 9月6日)

70歳定年制は生涯現役志向にとっては朗報である。第二の人生に悩まずにすむ。毎日やることがあって、行く所があることは、メリハリのある生活を保障し、健康増進にも役立つだろう。国にとっても、生涯現役への政策誘導は社会保障費抑制に不可欠である。
政策誘導の新たなスローガンは「人生100年時代」だが、延命治療見直し論との整合性はどう調整するのだろうか。
一方、生涯現役志向とは逆に、公的年金の支給年齢を引き上げられたら「いつまで働けばよいのか」「健康寿命が尽きるまで働きつづけるのか」と暗澹たる心境に陥る人たちも少なからずいるはずだ。60歳まで働けばよいと思っていたら、公的年齢の支給年齢が65歳に引き上げられ、さらに70歳に引き上げられるのは、いかにも消耗戦を強いられているようである。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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