2018/08/29
厚生労働省は2019年度から、人材育成や職場環境の改善に取り組む介護事業所の認定制度を始める。キャリアアップの仕組みや休暇取得、労働時間削減の仕組み作りなどを評価する。働きやすい事業所の「見える化」を進め、介護職員の離職を防ぐ。
介護業界の人手不足はひときわ深刻で、有効求人倍率はほぼ一貫して3倍を上回る。政府は職員の処遇改善を進めているものの、他業種と比べると依然として収入差がある。
また、キャリアアップの仕組みが整備されていない事業所が多く、長く勤務することを前提にした人生設計がしにくい。長時間労働など厳しい職場環境もあり離職が絶えず、定着を促す施策の重要性が増している。
厚労省は京都府の取り組みを認定制度のモデルとして想定している。キャリアパスの仕組みや育児や介護へのサポート、資格取得への支援制度の有無など17項目で事業所を評価する。
(日本経済新聞 8月22日)
メディカル・ケア・サービス(さいたま市)は中国に2カ所、マレーシアに1カ所、計3カ所で有料老人ホームを運営している。海外事業を通じて①介護職員のキャリアパス創出②事業フィールドの拡大による仕事の価値向上③海外へのチャレンジに新卒・若手人材の関心を喚起―という3つのメリットを得られたという。
近未来に向かってワクワクするような夢を描けないと、若手人材の就職動機にアプローチできない。多くの介護事業者が掲げている“地域を支える”とか“高齢化社会を支える”というスローガンが、とくに新卒者の就職動機にどこまで響くのか。
厚生労働省が運用する認定制度も有効だろうが、それ以上に、夢をもてる事業モデルへの改革が問われている。
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