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フジタを書類送検=長時間労働の疑い―労基署

ゼネコン準大手のフジタが物流倉庫の新築工事現場で作業員に違法な長時間労働をさせたなどとして、大阪労働局は21日、茨木労働基準監督署が同社と同社大阪支店などの管理職2人を労働基準法違反の疑いで書類送検したと発表した。
同労働局によると、同社は昨年2月の1カ月間、現場監督者4人について、労使協定の上限を超えて違法な時間外労働をさせたほか、時間外労働や深夜労働の割増賃金を支払わなかった疑いがある。
時間外労働は最長で月178時間余、割増賃金不払いは4人で計約100万円だった。同社は労使協定で、時間外労働の上限を月100時間としていた。
フジタ広報室は「書類送検された事実を厳粛に受け止め、再発防止に向けて真摯(しんし)に対応する」としている。
(時事通信 8月21日)

人手不足が深刻な業種として介護がひんぱんにメディアに取り上げられるが、労働力の需給問題を調査している大学教授によると「これからは建設業界のほうが人手不足は深刻になっていく」という。理由は、2020年以降に、高度経済成長期に建設された道路や橋などの公共財が老朽化して更新期に入っていくこと。それも全国規模での更新期である。
この作業の従事者を確保できないと、何が懸念されるのか。事故の頻発である。そこで外国人技能実習生を大量に受け入れているのだが、必要人員には程遠い。この記事で紹介されたような事態は、おそらく氷山の一角だろう。
東京五輪の熱狂が消えた頃、建設業界の人手不足は一層深刻になっていくが、AIやロボットの活用でどれだけ緩和できるかは未知数だが、当面は期待を寄せる以外になさそうだ。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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