菅義偉官房長官は11日の記者会見で、外国人労働者の受け入れ拡大をめぐり、必要な法整備などを話し合う関係閣僚会議を月内にも設けると表明した。「受け入れ業種や日本語教育の強化などを政府全体で検討する。7月中にも立ち上げたい」と述べた。2019年4月から外国人労働者の新たな在留資格の運用をめざす方針も示した。
菅氏は記者会見に先立ち、都内で開いた講演で「一定の専門性、技能を持った即戦力の外国人材を幅広く受け入れられる仕組みをつくりたい。来年4月から実現できるよう早期の法案提出を準備している」と話した。新たな在留資格に関しては「単純労働者ではなく、移民政策とは異なる」と強調した。政府は今秋の臨時国会にも入国管理法改正案を提出する。
外国人労働者をめぐっては、安倍晋三首相が6月5日の経済財政諮問会議で受け入れ拡大を表明した。同月にまとめた経済財政運営の基本方針(骨太の方針)にも明記した。一定の専門性や技能を条件に単純労働への外国人就労に門戸を開けば、事実上の政策転換になる。政府は対象分野を「存続・発展のために外国人材の受け入れが必要と認められる業種」とする方針で、農業や介護、建設などを想定している。
(日本経済新聞 7月12日)
外国人労働者の受け入れ拡大にともなって、日本語学校のマーケットも拡大している。
法務省の告示校である「日本語教育機関」は2010年から増え始め、10年の445機関が18年5月時点で683機関になった。国も日本語教育の拡充を重視し、18年版骨太の方針に「日本語教育機関において充実した日本語教育が行われ、留学生が適正に在留できるような環境整備を行っていく」と記載している。
だが、日本語教員が不足して新規開設数に追いつかず、教育提供体制の拡充は足踏み状態だ。要因のひとつは、教員のキャリア形成である。日本語教員は非常勤で3~4年のキャリアを積んでから常勤に昇格するが、売り手市場が続く時代に、あえて非正規雇用を選ぶ人がどれだけいるのだろうか。
もうひとつの要因は、日本語教員の給与水準である。年収ポータルサイト「平均年収.JP」によると、非常勤日本語教員の年収は180~200万円前後で、常勤教員は300~350万円である。民間企業の給与所得者の年間平均給与は、国税庁の「民間給与実態統計調査」(16年分)によると422万円だ。差がありすぎる。
Talk Geniusとは-
ヘッドハンティング会社のジーニアスが提供する人と会社と組織を考えるニュースマガジンです。