2018/07/10
賃貸住宅建設大手の大東建託(東京)の神奈川県内の支店が、労使協定で定める上限を超えて社員に長時間労働をさせたとして、6月上旬に労働基準監督署から是正勧告を受けていたことが分かった。地主らにアパート建設を勧める積極的な営業で業績を伸ばしてきた同社だが、過酷な労働実態や、残業時間の「過少申告」があったと複数の社員や元社員が証言している。
個人加盟の労働組合「ブラック企業ユニオン」によると、同社の神奈川県内の支店では、残業時間の上限を月70時間(繁忙期は月80時間)とする労使協定(36協定)を結んでいた。しかし、この支店の営業職だった20代の元男性社員の2017年10月の残業時間が上限を超えていた。同県の川崎北労働基準監督署は、同月の残業時間が90時間を超えていたと指摘し、是正勧告した。残業した際の割増賃金の支払いが不十分だとの指摘もあった。
(朝日新聞 7月2日)
この記事のつづきによると、大東建託では、数年前までは「取り組んだら放すな。殺されても放すな」など、大手広告会社の電通がつくっていた「鬼十則」とほぼ同じ内容の「大東十則」を朝礼で唱和する慣習もあったという。体育会系文化のある会社なのだろう。
日本大学のアメフト問題を取り上げたテレビ番組で、ある評論家が「企業が体育会出身者を好んで採用するから、大学スポーツのあり方が勝利至上主義で軍隊のようになってしまったのではないか。体育会出身者を優先する風潮が改まればよい」と述べていた。
そのとおりだと思うが、多くの企業は体育会系文化が生理的に好きなようだ。上意下達や滅私奉公は日本の企業文化として長らく職場に染み付いてきた。多様性やワークライフバランスというテーマを掲げても、やはり“好き”には勝てない。これからも採用説明会で「うちの会社は体育会系です!」とテンションを上げてアピールする採用担当者の姿が目につくのだろう。
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