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正社員給与、40代だけ減少=昇進遅れが背景―5年前と比較

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内閣府は25日、正社員の2015~17年の平均給与を年齢層別に5年前(10~12年)と比べたところ、40代だけが減少していたとの調査結果を発表した。バブル期後半の大量採用組や人口の多い「団塊ジュニア」が40代に当たるが、管理職ポストに限りがあり、部長や課長への昇進が全体的に遅れていることが背景にあるという。
調査は多くの企業で正社員に相当する「雇用期間に定めのない労働者」を対象に、基本給などの所定内給与月額を、5歳ごとに区切り、20~24歳から55~59歳まで比較した。
(時事通信 6月25日)

管理職ポストに限りがあるなかで40代の勤労意欲を引き上げるには、専門職コースを設けてスキルに応じて管理職と同等の給与額を設定すればよいのだが、そう単純な問題ではないという。中堅電子部品メーカーの人事課長は実情を語る。「たとえば部長と同じ等級の社員に対して、専門職として部長と同額の給与を設定するとバランスが悪いのです。部長のほうが責任を多く負っているで、等級が同じでも部長の給与額を明確に差をつけて高く設定しないと整合性がとれません」

一般に40代に入れば昇進の限界が見えてくるが、この年代は教育費と住宅費が重なるためポストはともかく、収入だけは着実に増やすことに迫られている。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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