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<河野外相>「霞が関は崖っ縁」と警鐘 長い残業時間で

河野太郎外相は29日の参院外交防衛委員会で、国家公務員の残業時間が長いことについて「この状況が続けば、能力の高い人材が集まるか不安だ。霞が関は崖っ縁に来ている」と述べ、中央省庁の「働き方」に警鐘を鳴らした。
河野氏は、外務省について「(月に)残業200時間超の職員がざらにいる。子育て、介護をしながらできるかと言えば甚だ難しい」と指摘。政府・与党は今国会で働き方改革関連法案を成立させる方針で、河野氏は「霞が関でも働き方改革を断行し、最大限、能力を発揮できる環境をつくりたい」と訴えた。
2017年8月に就任した河野外相は、海外出張の際に日程や航空機の座席表などを細かく記す「ロジブック」を廃止し、書類作成作業を削減。在外公館の女性職員が出産のため帰国する際の費用も補助するなど、職員の負担軽減策に乗り出している。
(毎日新聞 5月29日)

厚生労働省が“強制労働省”と揶揄されるほど、中央省庁の労働時間はブラック企業並みである。理由のひとつに挙げられるのは国会対応で、答弁書の作成に徹夜を強いられることも多いという。
この問題を解決するには、質問の受付時間に制限を設けることだ。省庁が政党に対して要求できるのかどうかはともかく、政党が省庁職員の健康管理を配慮しない限り、長時間労働はなくならない。
政党と省庁のやりとりを見ると、質問作成が前工程、答弁作成は後工程である。長時間労働の削減で成果を上げたIT企業の経営者は「前工程と後工程の全体最適を実現させるには全工程を管轄するプロセスオーナーを配置する必要がある」と話す。
かりに政党と省庁との間にプロセスオーナーを配置しても、政党が従うかどうか。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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