2018/06/06
アメリカンフットボール部の騒動に揺れる日大は29日、学生の就職活動への影響を懸念し、企業側の採用担当者に対し「本学学生の就職活動へのご支援につきましては従前と変わらぬご高配を賜りますよう伏してお願い申し上げます」と公式サイトで要請。配慮を呼び掛けた。
日大が公式サイトで発表したコメントは以下の通り。
(中略)
就職活動中の本学学生はこれまで勉学に励み、真摯に学生生活を送ってまいりました。採用ご担当の皆さまにおかれましては、この点をご理解いただき、本学学生の就職活動へのご支援につきましては従前と変わらぬご高配を賜りますよう伏してお願い申し上げます。
(スポニチ 5月29日)
企業の採用担当者が日大の就活生を色眼鏡で見るとは考えられないが、アメフト問題への見解を尋ねることは当然だろう。尋ねられる就活生はウンザリするかもしれないが、自分の見解を率直に話せばよいだけのことだ。
アメフト問題は、組織の論理と社会の論理との相違や、不祥事対応のあり方について考える格好の材料である。いまもなお多くの企業が好んでいる体育会系文化を考える機会にもなったのではないか。
体育会系文化は旧日本軍の価値体系から発祥したというが、社歴の古い企業だけでなくベンチャー企業にも好む例が多いことを考えると、たぶん多くの日本人の心情にフィットするのだ。
1970年前後には学生運動経験者を企業が危険分子とみなして、採用対象から外していたが、いまの企業が体育会学生を“反多様性分子”とか“上意下達分子”とか“滅私奉公分子”などとみなして外すことは考えられない。スポ根物語は日本に深く根付いている。
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