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外国人就労、政府が拡大に方針転換 新たな在留資格の創設「骨太方針」に明記へ

政府は、人手不足が深刻な分野の労働力を補うため、外国人の受け入れ拡大へ大きくかじを切る。最長5年間の技能実習を終えた外国人が、さらに5年間働ける新たな在留資格「特定技能(仮称)」の創設に着手。高い専門性があると認められれば、その後の長期雇用を可能とすることも検討している。従来の技能取得という名目から、就労を目的とした受け入れ施策に転換する。6月に決定する「骨太方針」に外国人との「共生」を初めて盛り込み、日本語学習教育の支援などにも取り組む方針だ。
現行制度では、高度な専門性を持つ人材を除き、外国人労働者を積極的に受け入れていない。農業やサービス業などの分野で、技術取得を名目とした技能実習生や留学生がアルバイトで対応しているのが現状だ。
(西日本新聞 5月21日)

ベトナムの看護大学を視察に訪問した社会福祉法人幹部によると、同大学の学長は「日本語よりも英語を学ぶ学生が増えている」と話したそうだ。理由は単純である。日本語を学んでも働ける国は日本だけだが、英語なら選択肢が格段に増えるのである。
昨年11月に、外国人技能実習制度に介護職が追加され、介護業界では実習生活用をテーマとしたシンポジウムやセミナー、あるいは送出国への視察が活況を呈しつつある。有力介護事業者のなかには実習生の仲介サービスを計画して、現地に日本語学校を設立したり、日本側の受け入れ窓口として制度化された監理団体を設立したりする例も増えている。
ちょっとした実習生ブームなのだが、送り出す側の視点が欠落している印象だ。そもそも日本が選ばれる国なのか、日本が選ばれたとしても介護業界が選ばれる業界なのか。この2つに何かしら魅力がなければ、介護業界に実習生は期待通りにやってこない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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