2018/05/29
「〇〇ビズ」と呼ばれる中小企業の支援拠点が全国に広がっている。モデルは10年前に設立され成果を上げる静岡県富士市産業支援センターf―Biz(エフビズ)だ。公募した人材が売り上げ拡大や販路開拓などの相談に無料で応じ、経営者らに寄り添いながら改革に取り組む。設置する自治体は地元企業の経営力の底上げによる経済再生に期待を込める。
山形市などは12月に、「山形市売上増進支援センターY―biz(ワイビス)」を開く。エフビズ型拠点は東北地方で初めてで、県庁所在地では全国初。主導した佐藤孝弘市長は「企業がお金をかけず事業にチャレンジできるようアドバイスをする、今までなかった手法」を期待する。
センター長とプロジェクトマネージャーを募集し、書面審査を経て6月末の面接で選ぶ。待遇は年収1200万円だが、1年契約で結果を問う。市は2018年度予算に4千万円の運営費を計上し、19年度以降も同程度をかける。
(日本経済新聞 5月21日)
自治体が経営相談業務を外部人材に委託する場合、中小企業診断士など国家資格保有者が対象になるケースが多い。だが、助言を業とする人材よりも、実践を業とする人材のほうが現実的な解を相談者に示してくれるのではないか――10年以上になるが、ある自治体の商工部長にそう尋ねたら、こう答えてきた。
「公費から報酬を支払うので、どうしても形式基準を優先せざるをえません。経営経験の豊富な無資格者よりも、経営経験のない有資格者を選ぶのが行政のやり方なのです」
一方、エフビズでは、雇用を結ぶうえに高額な報酬を支払うだけに、実力主義でセンター
長を選んでいる。センター長に就任する人材が雇用継続に結果を問われるのは当然だが、この人事は“天上がり”である。
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