2018/05/25
文部科学省と厚生労働省は18日、今春卒業した大学生の就職率(4月1日時点)が前年春より0.4ポイント増の98.0%だったと発表した。
7年連続の上昇で、1997年の調査開始以来の最高値を3年続けて更新した。
文科省が18日公表した今春卒業の高校生の就職率(3月末時点)も、0.1ポイント増の98.1%と8年連続で改善。91年春以来、27年ぶりの高い水準だった。
文科省は「景気回復に伴い、企業の採用意欲が向上している」と分析している。
大卒の内訳は、男子が0.6ポイント増の97.5%、女子が0.2ポイント増の98.6%。就職希望率も0.6ポイント増の75.3%で、全て過去最高となった。
文理別では、文系が0.9ポイント増の98.2%だったのに対し、理系は1.5ポイント減の97.2%で、初めて逆転した。(時事通信 5月18日)
40歳前後の就職氷河期世代にとって、このニュースからは隔世の感を覚えるのではないか。1990年代から2000年代前半の就職氷河期に卒業した世代には、非正規労働者として社会人生活をスタートした人も多い。
非正規雇用のキャリアしかなければ、たとえ業務スキルを蓄積していても、なかなか評価されにくい。40歳を過ぎた転職では、管理職経験が問われることが通例だが、非正規労働者が経験するのは現場のチームリーダー程度である。
長らく転職の限界年齢は35歳といわれてきたが、人手不足を背景に昨今は40歳に延びた。だが、人材紹介会社社長によると「40歳に求めるのはプレーヤーとしてのスキルではなく、プレーイングマネージャーとしてのスキルです。非正規雇用が長いと採用の対象になりませんね」と話す。
過去最高の就職率を背景に、正社員の道を幅広く選択できる新卒者たちには、後々を考えてキャリアを積んでほしい。
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