2018/04/04
会社が黙認していたはずの副業を理由に懲戒解雇とされたのは不当だとして、パルコ元部長の男性が近く、解雇無効などを求める仮処分を東京地裁に申し立てることが28日、分かった。
仮処分を申し立てるのは、パルコのコンテンツ事業担当の部長だった男性(59)。約16年前から映像コンサルタント会社の代表も務め、主に配給会社の委託を受けパルコの映画館などで上映する作品の宣伝プロデュースをしていた。
パルコは2018年1月、会社の承認を得ていない副業が就業規則に違反していることなどを理由に男性を懲戒解雇とした。
副業は取締役会などで正式に承認されてはいなかったが、男性側は「映画を効果的に宣伝して成功させることが目的で、上司らにも説明していた」と主張。処分は重すぎるとして解雇無効や未払い賃金の支払いを求める。
パルコは「就業規則違反があったことは事実だが、現時点ではそれ以上のコメントはできない」としている。
(日本経済新聞 3月29日)
解雇された元部長から副業を説明された上司との間で、どんなやりとりがあったのか。上司は説明を受けただけで承認をした認識はないが、元部長は承認されたと認識していたのだろうか。
副業は文書による申請手続きを経れば、承認の有無は明確になるが、口頭での承認だと曖昧になりやすい。申請した側は、却下されなければ「事前に報告した」と認識し、懲戒処分が下されることは受け入れらえないケースもあるはずだ。
通常、副業禁止規定に抵触しても口頭で注意を受ける程度で、懲戒解雇には至らない。元部長の副業が勤務先であるパルコの事業に関わる業務だったことが問題になったのだろう。
元部長が代表の映像コンサルタント会社とパルコが利益相反関係になるなどの問題があったのかどうか――。
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