2018/03/26
JR西日本は16日、昨年3月までの2年1カ月間に、約1万4200人の社員に計約19億9000万円の時間外労働の賃金未払いがあったと発表した。最多は50代の男性副駅長の約456万円(1192時間分)で、実際の労働時間は労使協定(36協定)の上限(月45時間)を超えていた。
JR西によると、昨年3月、天満労働基準監督署から是正勧告を受け、業務でパソコンを使用する社員約1万7700人のメール送信時刻などを調べた。その結果、80%にあたる約1万4200人が、本人が申告した勤務時間より月平均で2.3時間長く働いていた。未払い額は平均で月約5600円。今月の給与支給日以降に支払う。
副駅長の時間外労働は月80~90時間に達し、「過労死ライン」の80時間を超えていた。36協定の上限を超える社員は他にも複数おり、一部の社員は協定違反にならないよう時間外労働を短く申告していた。同社は是正勧告を受け、パソコンのログオン・オフ時刻などで労働時間を管理する方法に変更した。
(毎日新聞 3月16日)
JR西日本の未払い残業代の最多額は50代の副駅長の約456万円だというが、この金額は会社員の平均年収である。たぶん残業時間の過少申告が習い性になっていたのだろう。
残業時間の削減目標が示されると、目標達成のために部門長が部下に残業時間を過少申告させることは、昔からの常套手段だった。正確な残業時間を申請すると修正を命じ、やがて部下が自主的に過少申告するようになって、サービス残業体質が強化されていった。JR西日本も同様に体質だったようだ。
改革策として、記事に「パソコンのログオン・オフ時刻などで労働時間を管理する方法に変更した」と紹介されているが、過少申告が常態化した職場では、修正不能な仕組みを導入する以外にない。
Talk Geniusとは-
ヘッドハンティング会社のジーニアスが提供する人と会社と組織を考えるニュースマガジンです。