2018/03/19
日立製作所は今春闘の労使交渉で、終業と始業の間に最低11時間の休息を確保する「勤務間インターバル制度」を全社的に導入することで合意した。全社員約3万5千人のうち、管理職などを除く一般社員に適用する方針。今春から労使で制度設計にとりかかり、10月にも導入する計画だ。
組合側は制度の導入に向け、2年ほど前から水面下で経営側と交渉していた。残業時間の抑制や年休消化の促進を優先し、要求提出のタイミングをはかっていたが、「長時間労働を是正する取り組みに一定の前進がみられ、働き方改革の機運が一層高まってきた」(幹部)として、今春闘で初めて要求。経営側も受け入れた。製造現場に加え、企画や総務などの事務部門の社員も対象になる。組合側はグループ企業への導入拡大も視野に入れている。
勤務を終えた後、次の勤務が始まるまでに最低11時間の休息を確保するには、たとえば午後11時まで残業すると、翌日の始業時間を午前10時以降に遅らせる必要がある。
(朝日新聞デジタル 3月13日)
シンガポールに駐在経験のある元エンジニアリングメーカー幹部に聞いた話だが、現地の取引先を夜半まで宴席をもった場合、取引先は翌日の出勤時間を延ばすが、日本人駐在員は定時出社していたという。
「日本人はマジメだから、前日に遅くまで飲んでも定時に出勤するんです。私が駐在していたのは昭和の時代だから、連日のように取引先と飲んでいました。それだけ睡眠時間を削っていたわけで、体調を崩す社員もいましたが、病気をハードワークの勲章のように考える風潮がありましたからね」
働き方改革という言葉は労働者を主人公にセットしているが、労働者は働かせ方に従って勤務している。飲食店チェーンの店長が健康被害を受けるケースがたびたび報道されるが、営業時間を変更しにくい事業なので、勤務間インターバルの導入は難しいのだろうか。
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