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労災死 22年までに15%減

厚生労働省の労働政策審議会(厚労相の諮問機関)は21日までに、2018年度から5年間を対象とする「第13次労働災害防止計画案」を加藤勝信厚労相に答申した。労働災害による死亡者数を22年までに、17年比で15%以上減らす目標を掲げた。過労死や過労自殺が社会問題となる中、長時間労働の是正に加えて、メンタルヘルス対策を推進する。
 
労災による死亡者を15%以上減らすほか、メンタルヘルス対策に取り組む事業所の割合を16年の56.6%から22年までに80%以上に引き上げる。個人のストレスチェックの結果を事業場単位で分析する集団分析により職場の改善を行う事業所の割合は、16年の37.1%から22年までに60%以上に高める。
(日本経済新聞 2月21日)

労災死の数に目標値を定めるのなら、つねにゼロでなければならない。労働政策審議会は2022年までに労災死の数を17年比で15%以上減らすという目標を示したが、一定以上の労災死を容認しているのか。

労災死の発生は不可避と考えている審議会委員はいないだろうが、どんな根拠で15%という数字を算出したのだろうか。
労災死は撲滅の対象であり、撲滅には不退転の決意で臨むのが当然である。

この記事に並んで、国土交通省が自動車運送事業者の労務管理関連の法令違反への行政処分を強化するという記事が掲載された。過労死の防止が狙いで、車両停止処分を現行の20日間から40日間に引き上げるという。

行政処分が実施され、相応の損失をこうむる企業が出れば法令遵守への流れが加速するだろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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