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非正規に手当要求 日本郵政労組、春季交渉で

日本郵政グループ労働組合(JP労組)は2018年の春季労使交渉で、非正規社員にも扶養手当や年末年始勤務手当を支給するよう要求する。正規・非正規の差を縮め、政府が掲げる同一労働同一賃金制度の導入にいち早く対応したい考えだ。郵政事業も人手不足は深刻で、今春の交渉は非正規の処遇改善が焦点のひとつになる。
 
15~16日に開く中央委員会で提案し決める。手当はこれまで、正社員のみが対象だった。差があるのは客観的にみて合理性に乏しいとし、これを非正規にも適用するように求める。寒冷地手当や住居手当のほか、夏季休暇や病気休暇なども取得できるよう促す。
(日本経済新聞 2月7日)

非正規社員への報酬を増やすよりも、希望に応じて正社員に登用したほうが定着率も向上して、人手確保には有効だろう。たしかに同一労働同一賃金は若手社員の活力を引き出す効果はあるが、雇用回復の次の課題は、同一労働同一賃金よりも非正規社員の正社員への登用ではないのか。
消費税が10%に上がれば、非正規社員の生計はどんどん逼迫し、消費は冷え込んでゆく。さらに東京オリンピックの翌年ごろから景気が悪化し出したら、どうなるのか。非正規社員の結婚は遠のき、少子化に拍車がかってしまう。さらに貧困層の拡大によって社会保障費がいちだんと膨張して、国家財政を窮地に追い込む。

安倍晋三首相は経済界に3%賃上げを訴えたが、訴求内容を非正規社員の正社員登用に切り替えたほうがよいだろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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