2018/02/08
NECは、2028年度にも国内で3千人の希望退職を募る。国内の従業員数の約4%に当たる。国内9工場の統廃合も進め、家庭用蓄電システムの開発・製造からは撤退。人工知能(AI)の普及などで世界的にIT業界は活況だが、海外展開に出遅れ、業績が伸び悩んでいるためだ。
30日に発表した新経営計画(18~20年度)に盛り込んだ。希望退職の主な対象は、経理や人事などの管理部門と、低迷する通信機器事業。新野隆社長は人員削減の理由について「配置転換で対応をしてきたが、スピードが遅く、売り上げが伸びない」と述べた。削減後は年間で約300億円の費用減が見込める。統廃合する工場は「今後具体的に検討する」と明かさなかった。
NECの売上高は00年度に5兆4千億円あったが、いまは半分ほどの水準だ。主要事業だった半導体やパソコンは売却。ITサービスと通信機器を柱にしているが、海外進出に出遅れ、売上高の海外比率は25%にとどまる。16年4月から始めた3カ年の経営計画も、業績の低迷で昨年4月に撤回を余儀なくされた。
(朝日新聞デジタル 1月30日)
大量採用とリストラはセットになった。とうに終身雇用の時代は過ぎ去ったが、それでも会社が人員削減に不感症になって、社員を部材のように切り捨てる人事が繰り返されたら、社内の求心力は低下していく。とくに20代の社員が人材紹介会社に登録して、希望に合ったオファーが入ったら転職に動く傾向に、加速がつくだろう。
NECでも、おそらく若手社員の心中に変化が起きるのではないか。リストラで辞めていく3000人のうち、希望に合致した転職がかなうのは一部で、多くは収入減になるか、それとも不慣れな業種に転じて不遇をかこつか。
先輩社員のそうした現実を見聞きすれば、自己防衛策に入るのが自然である。
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