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社員再教育 日本は最下位

日本は労働者の再教育やスキルアップ支援で世界的にみて出遅れている。人材サービスのランスタッド(東京・千代田)が世界33カ国・地域の労働者に調査したところ、勤務先企業が費用を負担する研修などを受けている割合は、日本の労働者の4割と調査国・地域中、最下位だった。特に日本は男女差が大きく、女性に対する支援が遅れている。
調査は週24時間以上勤務する18~65歳の労働者1万3千人以上を対象に、2017年に実施。調査対象国・地域の平均では、66.0%の労働者が勤務先が費用を負担したセミナーへの出席やオンライン講座の受講といった支援を受けていた。最も高かったのはインド(85%)で、中国(82%)が続いた。しかし日本では41.2%しか支援を受けていない。
(日本経済新聞 1月10日)

個人差はあるが、多くのビジネスパーソンが伸びしろを失いつつある時期は、40代前半だろうか。この時期に再教育をすれば、中高年社員はお荷物にならずにすむかもしれない。
若手・中堅社員に士気高揚に向けた世代交代は重要な施策だが、それでも50歳や55歳で役職定年を強いられたら意気消沈するのは当然だ。(人事とはそういう仕組みなのだ)と割り切っても、勤務先で再雇用された以降の日々は“余生”に移行しかねない。

定年延長によって雇用は確保されても、往時の張り合いを失えば、政府が提唱しはじめた「人生100年時代」に向かう意欲も湧いてこないだろう。
世代交代の推進と役職定年制の廃止――この2つを両立させれば、社内の活力はアップする。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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