2017/12/14
「赤福餅」で知られる和菓子メーカー「赤福」(三重県伊勢市)の代表取締役会長に、2007年の消費期限偽装問題で引責辞任した浜田益嗣(ますたね)氏(80)が復帰した。11月24日の株主総会で、浜田氏が会長を務めるグループの持ち株会社「浜田総業」から提案され、同日の取締役会で決定した。
浜田氏との経営方針の対立が取りざたされ、14年に社長から代表権のない会長に退いた長男典保氏(55)は顧問となった。浜田会長は10年ぶりの復帰で、妻の勝子(まさるこ)社長(80)とともに実権を握る。
同社幹部は会長復帰について「長年築いてきた経験と知恵、企業経営のノウハウを次世代の赤福にバトンタッチしてもらうことが狙い」としている。辞任後も持ち株会社を通じて影響力は維持してきたが「よりダイレクトに執行部に意見を伝えることができるようになる」としている。
(毎日新聞 12月8日)
会長に復帰した父親が80歳で、会長から顧問に退いた息子が50歳。あえて好意的に見れば超高齢化社会の生涯現役モデルといえなくもないが、5年先、10年先のトップ人事はどうなるのだろうか。この人事をメインバンクはどのように受け止めているのか。
老舗企業の持続力は、創業家の家訓に支えられている。家業として代々の経営者に創業家が就く場合は、適任の人材を得なくとも、第三者の起用は難しい。経営者に起用するならワンポイントリリーフに限られるだろう。
家訓は理解の対象ではなく、体得の対象である。第三者には難儀だ。幼少時から創業家の空気を吸いつづけてこそ、家訓の真意を体得できる。メインバンクも経営者を送り込めないのではないか。
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