2017/11/03
「僕ができる『役割』が変わろうとしている」と強く感じて、退任を決意したのです。
決意をみんなに打ち明けると、やはりというか、会社は「最高顧問」という肩書を用意してくれました。しかし、僕は断りました。「ここはエレベーター係に徹しなければ」、「創業者という事実だけで十分だ」と。
僕は今年4月で古稀を迎えました。古稀を迎えた人間が第一線を退き、これから脂がのっていく30代の2人(木庭康弘氏、森亮介氏)を新たに取締役に迎え、41歳の社長の両翼として活躍してもらうほうが、ライフネット生命の将来は楽しみだし、ライフネット生命に加入してくださるお客さまにも安心してもらえるだろう、そう考えたのです。
若手の台頭には、希望が持てます。あの、フランスでも39歳のミシェル・マクロン大統領が誕生しました。若きリーダーに、フランスは沸いています。日本の会社も、そうあるべきなのです。
(J-CASTニュース 10月26日)
ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長が「創業者に引退はない」と語っているが(日本経済新聞10月21日付)、ライフネット生命の出口治朗会長の身の処し方は対象的だ。どちらがよいのかという問題ではない。それぞれである。
だが、出口氏はけっして引退するのではなく、今後は講演活動などでライフネット生命を支えていくという。経営者が取締役メンバーから外れることは、必ずしも引退とは限らない。出口のようにサポーターとして現役を継続する就労形態が広がれば、退任が人生の終焉であるかのように錯覚し、現職に固執する必要もなくなる。
出口氏は「最高顧問」という肩書を断わった。まずもって院政を敷くような挙にはおよばないだろう。有力経営者の身の処し方として、出口氏の今後はロールモデルになるのではないだろうか。
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