2017/10/25
長期間にわたって頻繁に昼夜が逆転して体内時計が乱されると、死亡率が高まる傾向にあることを、京都府立医大の研究チームがマウスの実験で明らかにした。人間でもシフト勤務の職場は多いが、シフトの組み方によって体の負担や体内時計の乱れを減らせる可能性があるとしている。国際科学誌に発表した。
約24時間周期の体内時計が乱れると、睡眠障害など様々な病気のリスクが高まるこ知られ、老齢マウスの実験で死亡率が上がることも分かっているが、長期的な影響は不明だった。
(中略)
ゆるいシフトだと体内時計の乱れは軽微だったが、きついシフトではマウスが変化に適応できず、活動や休息の行動リズムが昼夜と関係なく乱れた。きついシフトは34匹中9匹が死んだのに対し、ゆるい方は14匹中1匹だけで、死亡率はきつい方が4・26倍高いと推定された。死んだマウスの67%で白血球の増加など炎症反応が確認された。
(朝日新聞デジタル 10月17日)
マウス実験の結果を待つまでもなく、夜勤をともなう就労形態と日勤のみの就労形態で健康格差が認められるかどうかは、健康保険組合のデータなどを分析すれば明らかになるだろう。
昼夜交代制による健康問題を解決するには、夜勤を減らすか、あるいは夜勤が不可欠の職場なら、シフト間の休養時間を十分に設けて、睡眠時間を確保できるように就労体制を改める以外にない。
ただ、現実はそう簡単ではない、たとえば医師には、医師法19条で「診療に従事する医師は、診察治療の求めがあった場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない」と応召義務が課せられている。他人の健康を管理する立場なのに、自分の健康を管理できないという矛盾から逃れにくい仕事である。
厚生労働省は労働基準監督署とともに医師の就労形態の見直しを検討しているが、医師法にもメスを入れるのだろうか。
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