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サービス業、採用計画未達

日本経済新聞社が15日まとめた2018年度採用状況調査で、主要企業の大卒採用の内定者数(18年春入社)は17年春入社実績比で0.9%増だった。7年連続のプラスとなったが、伸び率はこの7年で最低水準だった。学生の売り手市場が続く中、陸運などサービス業で内定者数が計画を下回る業種が相次いだ。人手不足が常態化する中、企業や業種間の人材獲得競争が激しくなりそうだ。
(中略)
外食・その他サービスは17年実績に対して内定者数は3・6%増えたが、計画値を14・3ポイント下回った。外食大手のコロワイドは内定者が75人と計画の約半数だった。人手不足が深刻な陸運は、内定者の数が計画比77%にとどまった。
(日本経済新聞 10月16日)

人材を確保できないために新規出店ができないという外食企業の例はよく耳にする。深刻な問題だが、もっと深刻なのは特別養護老人ホームなど介護施設のケースだろう。施設を開設し、入所を希望する高齢者が列をなしていても、従業員を確保できないためにオープンできないのだ。いかにも少子高齢化を象徴する例である。
若年労働者に限りがある以上、人材のソースは主婦、高齢者、外国人に絞られてくるが、まずは離職防止と定年延長で戦力ダウンに歯止めをかけることが急務ではないのか。

外国人労働者の活用は、相手国の経済発展によって日本との格差が縮小すれば、日本に働きに出る動機がなくなってくる。いまは日本の都合だけで検討されているテーマだが、いずれ限界に突き当たる施策である。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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