2017/10/12
資生堂は5日、相談役・顧問の制度を、現在の任期の満了をもって廃止すると発表した。コーポレートガバナンス(企業統治)の透明性を高めるのが狙いという。
同社の場合、相談役や顧問はこれまで、社長などの役職経験者が取締役会の承認を経て就任していた。現在は社長や会長を経験した相談役2人と、元常務の顧問2人がいる。前社長の前田新造相談役の任期が終わる2020年6月末で、全ての相談役、顧問がいなくなる予定。
相談役や顧問制度は開示情報の少なさや役割の不透明さから、経営トップ経験者らの「院政」につながるとの批判がある。東京証券取引所は来年1月から、相談役や顧問制度がある上場企業に対して、任意で名前や具体的な業務内容、報酬の有無などを開示してもらい、ホームページで公表するとしている。
(朝日新聞デジタル 10月5日)
名誉職の提供は、お目付け役として一定の影響力を保持してほしいと望んでいるに等しい。まして社長人事などで相談に赴けば、本人が意図しなくとも、おのずと院政が形成されてしまう。
院政が形成されば、顧問や相談役は重要事案の相談をもちかけられないと、気分を害して尺員人事に介入してくる。老害など意に介さない。いわば“影響力行使欲”に溺れてしまうのだ。そんな姿は、多くの場合、家族の目にはみっともなく映るが、退任を勧めると依怙地になってしまうのが通例である。
やはり顧問や相談役は廃止するのがよい。会長や社長として大きな功績を残した人には、退職慰労金などで報いればよい。
Talk Geniusとは-
ヘッドハンティング会社のジーニアスが提供する人と会社と組織を考えるニュースマガジンです。