2017/10/04
介護に直面する社員の退職を防ぐため、企業が多様な働き方を念頭に置いた支援制度を整え始めた。第一生命保険は介護休業(総合2面きょうのことば)について730日を上限に回数無制限とする制度を整備。花王やパナソニックは有給で休める仕組みを設ける。日本の介護離職者は既に年10万人、予備軍は100万人とも見込まれる。貴重な戦力である社員のつなぎ留めが重要な経営課題に浮上している。
育児・介護休業法は労働者に介護休業法を取る権利を認め、事業主は拒めないと定める。社員は通算93日まで3回まで分割して休める。第一生命ではこれを730日に延長し回数も無制限とした。
同社の社員の平均年齢は46歳で、介護に追われやすい50歳以上の社員は4割を占める。「近い将来に介護に直面する社員が増加することを想定し、十分な安心感を与えるため」(人事担当)とし、法律溶離大幅に手厚い制度にした。
(日本経済新聞 9月27日)
介護離職防止策を講じる企業が増える過程で、大手企業には福利厚生機能として介護事業者を買収したり、あるいは介護事業者を囲い込む動きも出るかもしれない。介護サービス利用者の自宅の分布状態から、直接のサービス提供が難しければ、ケアマネージャーを雇用して、介護事業者をコーディネートする仕組みをつくるのではないか。
中小企業は社員の介護問題にどう対処すればよいのか。多くの中小企業の場合、行政のサポートに頼らざるを得ないのが実情だろうが、東京都は今年10月2日にサポートデスクを開設する。「とうきょう介護と仕事の両立応援デスク(略称:応援!はたらくかいご)」という名称で、相談者の個別の実情に応じた具体的な助言などを行なうとともに、必要に応じて関係支援機関などを紹介する。
デスクで相談者に応じるのはケアマネージャーなど介護の専門家や社会保険労務士。デスクの開設時間は、平日は午前11時から午後8時、土曜日は午前9時から午後5時。このサービスを基礎自治体まで普及させれば、とくに中小企業は助かるだろう。
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