2017/09/15
宅配大手の佐川急便が残業代の未払いを全社で調査していることが7日、わかった。8月から約3万人のトラック運転手を対象に調査を始めた。6月に都内の営業所を調べたが、全社で未払いの可能性があるため範囲を広げた。調査は継続中で、未払い残業代の規模は明らかにしていない。
ヤマト運輸ではこれまでに約240億円の未払い残業代が判明した。
(日本経済新聞 9月8日)
未払い残業代の調査で問われるのは、どこまで正確に実施するか。実施をもって法令遵守のイメージを打ち出そうとする意図が見え隠れする企業も目に付く。残業代未払い企業のレッテルが貼られてしまっては、何より採用に支障をきたす。
とくに今時の20代は「企業に選んでもらうのでなく、こちらから企業を選ぶ」という意識が強いので、悪弊を引きずっていては、見向きもされなくなるだろう。
未払い残業代の調査に踏み切る企業が真に労働基準法の遵守に改心すればよいのだが、実際はその多くが、本心ではビタ一文も払いたくないと考えているものだ。いきおい調査もおざなりになりがちである。しかも内部留保に余裕のない企業は、未払い残業代を正確に支払おうとすると、途端に資金繰りが悪化しかねない。
ヤマト運輸や佐川急便のニュースに身構えているのではないだろうか。
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