2017/08/17
外食企業によるM&A(合併・買収)が活発化している。居酒屋「はなの舞」を展開するチムニーは、同じく「酔虎伝」を展開するマルシェと資本業務提携した。チムニーは関東圏に強く、マルシェは関西圏や郊外に強い。なぜ地域補完を急ぐのか。そこには「人手不足」という根深い事情がある――。
外食企業でM&A(合併・買収)や資本業務提携が活発に行われている。6月27日、「はなの舞」「さかな屋道場」などを展開するチムニーが、「酔虎伝」「八剣伝」などを展開するマルシェの株式の11.2%を取得し、筆頭株主となると発表した。出資額は8億円。これにより、店舗数は両社合計で約1220店となり、国内居酒屋チェーンでは有数の規模になる。
チムニーは今回の資本提携について、「人手不足が深刻化し人件費が上昇するなか、食材の仕入れや物流面などに大きなシナジー効果がある」と説明している。特に、関東圏に強いチムニーと関西圏や郊外店に強いマルシェの資本業務提携は、互いの強みを補完することになり、今後相互の発展に寄与するとしている。
(プレジデントオンライン 8月9日)
SankeiBiz(8月12日付)によると「フジサンケイビジネスアイが7月下旬から8月上旬にかけて主要企業121社を対象に実施したアンケートで、無回答を除くと36%の企業が人手不足を感じていることが分かった」という。さらに「労働市場の需給の逼迫(ひっぱく)は賃金上昇圧力となり景気拡大に寄与することが期待される一方で、商機を逃す要因にもなりかねず、警戒感を強める企業の姿が浮かびあがった」。
外食企業が人手不足解消策としてM&Aに着手するのは必然の流れである。事業規模の拡大がM&Aの第一義であることは変わりないが、経営効率化に直結できるかも、アフターM&Aの課題になるだろう。アドバイザリー業務を手がけるコンサルタントは実業に通じているかどうかが問われてくる。
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