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銀行員給与5年ぶり減 東京商工リサーチ調べ

東京商工リサーチは20日、国内92行の2017年3月期の平均年間給与を発表した。平均額は16年同期比0.8%減の615万2千円で、5年ぶりに前年実績を下回った。日銀が導入したマイナス金利政策の影響で収益が悪化するとの懸念から、メガバンクは16年春季労使交渉で3年ぶりにベースアップを見送った。
 
国内銀行112行のうち、単体で有価証券報告書を提出している銀行92行を対象に調査した。約7割の銀行が前年実績を下回り、大手行で前年を上回ったのはあおぞら銀行のみだった。4年連続で首位となった三井住友銀行は同1・8%減の814万8千円だった。
 
一方、3メガバンクがこのほど公表した17年3月期の有価証券報告書によると、報酬が1億円以上の役員は同2倍の12人だった。
(日本経済新聞 7月21日)

 
銀行の収益を悪化させるのはマイナス金利政策だけではない。日本経済新聞社の調査によると、手元資金が有利子負債より多い「実質無借金」の企業は2016年度末時点で2016社と前年度に比べて60社増えて、初めて2000社を超えた。

銀行にとっては信用創造の機会が減少し、その打開策のひとつともいえるビットコインは、トラブル続きで普及には時間がかかりそうだ。
 
しかし、依然として、銀行員が高給取りであることには変わりない。メガバンクでは50歳で事実上の定年を迎える人事によって、以降の給与が大幅に減少するが、それでも他業界に比べれば、けっして低くはない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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